ニューヨーク州でカジノが続々オープン
昨年の11月にニューヨーク州で行なわれた住民投票で、既存の9つのギャンブル施設に加え、新たに7つのカジノの建設が承認されました。こうした状況はニューヨーク州に限ったことではなく、近年、ほかの23州でも、アメリカ先住民の経営するカジノとは違う、商業的ギャンブル施設が合法化され認可されています。
カジノの新たな経営方針
何故、各地でカジノが続々とオープンしているのでしょうか?米国の経済は現在、年々貧富の差が広がっており社会問題となっています。こういった現状を踏まえ、カジノ業界を牽引する経営者達は今までのように利益を上げる対象を、富裕層だけに絞るのではなく、数の上で絶対的に多い低所得層とされる人々にも対象を広げる必要があるとし、新たに制定された州認可のカジノを使って、その経営方針を試みているのではという見方が強いようです。
新たな経営スタイル・低所得者のプレイヤーを定着させる鍵として、注目されているのがスロットマシーンです。スロットマシーンはペニー(1円)単位からの賭けができ、それが少額の賭けをする人にとって魅力のひとつとなっています。更に、近年ギャンブルをする女性や高齢者も増えており、遊戯の際に特別な知識を必要としない点もスロットマシーンの大きなアドバンテージとなっています。
マサチューセッツ工科大学の人類学者であるナターシャ・ダウ・シュール氏は、著書の中でプレイヤーたちは没頭すると、勝つことよりも、ゲームを続けることに関心が向くようになると記しており、少額からでも長時間の遊戯が可能なスロットマシーンは、プレイヤー側の要求を満たすだけではなく、継続的に短いスパンで複数回カジノに来てもらう事を望むカジノ側の目的を達成する上でも、スロットマシーンは正にキーマンと言えます。
今なお着実拡大を広げるカジノビジネス、日本でも加速するカジノ法案はどのように経済効果をもたらすかにも注目です。
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