カジノ法案、ついに審議入り
衆院内閣委員会は6月17日の理事懇談会で、カジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の整備を政府に促す推進法案について、6月18日に趣旨説明と質疑を行い審議入りすることを決めました。政府・自民党は慎重姿勢の公明党に配慮し、今国会の成立を見送り衆院で継続審議の扱いにする方針だが、理事懇では与野党が秋の臨時国会で法案に関係する3委員会の連合審査を行うことで合意し、年内の法案成立の公算は大きくなりました。
急展開の理由は?
カジノ法案の審議入りが可決された背景に、自民党は他の政党との協議日程の調整や、条件の受け入れを積極的に行い、他にも治安悪化を懸念する公明党に配慮して推進法案の会期内成立を見送ったとされる一方で、審議入りの急展開を迎えた裏には、安部首相の強硬な姿勢があったと言われています。
法案成立の可能性と時期
審議入りは果たせましたが、法案成立の可能性はどの位あるのでしょうか?参院内閣委員長はカジノ合法化に反対する日本教職員組合(日教組)出身の水岡俊一元首相補佐官(民主)が務めています。水岡氏から法案審議の際、反対姿勢が予想されますが、自民党幹部は理事懇での合意を受け「法案成立の環境は整いつつある」と自信を深めており、過去の当サイトの記事でも、多くの議員が「審議に入れば、今秋の臨時国会での法案成立は十分に可能」と語っていることから、早ければ今秋、臨時国会でカジノ法案が成立する可能性は十分にあります。
自民党、早くも法案成立を見据えた動き
自民党の安部首相は、早くもカジノ法案成立後を見据え、政府は月末にまとめる成長戦略「日本再興戦略」改訂版に、IRの整備について「関係省庁で検討を進める」と明記する方針です。更に、政府・自民党は臨時国会で法案を成立させ、来年中に外為法や銀行法などの改正作業にも着手する考えを示しており、カジノ法案の成立へ向け機運は高まっています。
今後の課題
安倍晋三首相はカジノを「成長戦略の目玉にしたい」と意気込んでおり、新たな観光・娯楽産業になるとの期待からIR推進法案を推し進め、今回、念願の審議入りとなりました。莫大な経済効果が期待される一方で、ギャンブル依存症など社会問題への対応やマネーロンダリング(資金洗浄)に悪用されるとの懸念から反対論も根強くあります。こういったことも含めて今後、日本でどういった対応が取られるのか注目です。
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